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プロローグ
 愛車のブラットを失ってから、心にすきま風が吹いていた。

 何の気なしに見たアメリカのウエブサイトでもっとコンディションの良い、トップグレードのブラットを見つけた瞬間胸のときめきを抑えきれず、直ちに西海岸のオーナーに電話をすると未だ持っていると言う。1週間、このことを考え続け、再度オーナーに電話をするもどうしても連絡が付かない。
 誰かに売られてなくなる心配がスポンジ頭の中のほとんどを占めていたとき、3連休が目の前に来た。木曜、金曜、火曜に休みを取れば1週間訪米できる。こう考えたら、もう足は旅行代理店に向かって3月17日のチケットを買っていた。オーナーと連絡が取れていないのは不安だったがこの機会を逃すと後悔すると思った。幸い、2日後に連絡が取れ、未だ売られていない事が分かった。

3月17日木曜日。成田からサンフランシスコ。列車、バスを乗り付いでサンタクルーズまで。
 曇っているが寒くはない。いつも通り6時半に目が覚めた。今日は成田へ行く日なのでゆっくりとし7時半に起床。

 持っていくものを段ボールに放り込み、デジカメ用の充電器を捜すと出てこない。やっと探し出し、電池を充電器に置き、朝食を食べにデニーズに行く。一回、自宅を出て冷静な頭で持っていくものをリストアップしないと。アイポッドも充電器にかけた。受信メールは一通もないが2,3件送信した。(アイポッドは充電器にかけたまま、持っていくのを忘れたのは最大の失敗)

 12時過ぎにに自宅を出、バス停に行くと12時24分は定刻通り出てしまい次の34分は8分ほど遅れて到着。相模原には1時に到着。途中で搭乗引換券をよく見ると16時45分に集合とある。今まで6時45分と勘違いしていたので秋葉原に寄ることは止め、直接日暮里に行った。

 成田空港で預金残高をチェックすると、昨日社長に頼んだ給料前払いの振り込みは入っていない。この前もそうだったが、この会社はどういう連絡になっているんだろう。ギリギリの金しか手許にないのでブラットを購入するときに値引きが厳しいと支払えない。現金を使うチャンスを出来るだけ減らし、その時になってから考えよう。新しいクレジットカードも来たことだし、何とかなる。

 入国審査が相当遅れているとアナウンスがあった。モールでぶらぶらしていると搭乗できなくなりそうなので急いで入ってみると、あの広い室内がいっぱい、これを通過するのに30分ほどかかった。ユナイテッドの搭乗口は比較的近い大韓航空よりもずーと奥の35番でバッグを引きずりながら500メーターほど歩かされるのは予想外。

 6時50分定刻通り出発。100%満席、いや120%の感じだ。61Bはでかいジャンボの一番最後の席でウインドウ側、しかも隣はひげの不愛想なアジア系、40歳代のオッサン。男同士これだけくっついて座るのは苦手だ。窮屈で尻、膝でさえ動かせないシートに9時間はしんどい。大韓航空よりエコノミー症候群の患者が多く発生しそうだ。食事も夕食はステーキかチキン。朝食は卵、ハッシュポテト、ウインナーと素っ気ない。しかしマイルは100%貯まり、15000マイルでANA国内旅行が出来るという。

 サンフランシスコ国際空港へは1時間ほど遅れて12時前に着いた。曇、初めてこの空港で入管をするのでまごつく。今までと違い、両手の指紋とめがねを外しての顔写真を撮られた。イミグレーションはどうって事はなく今回の滞在予定と、日本の職業を聞かれたのがおかしい。PCを教えている教師だと言ってやったら変に納得した。

 BART(SFの地下鉄)を使っての移動はチケットを購入する方法が分からなかった。入金額から$1,5セントを引いていくアイコンを押してチケットを印刷する方法で非常にまごついた。しかし$15でダイレクトにSan Jose空港に行くバスがあったのでそれと使ったら良かったかもしれない。ただし、便数が余りないようだ。Cal Trainは暖房が効きすぎてセーターを脱がないといけないほど。
 車内でチケットの改札が来た。購入したチケットはBARTのものでCal Trainではないと言われびっくり。そう言えばBART側の改札口で表示をよく見ず買ってしまった。
「初めてでショートステイなので、降りてからチケットオフィスでチケットを買ってくれ、今回はレポートしない、もしレポートすると9.11以来厳しくなっているので再入国できないぞ!」と乗務員が気を利かしてくれた。
 車内で次の駅名をアナウンスしてくれるのだが、日本のJR車内のアナウンスと同様、もごもごとはっきり聞き取れない。駅名を書いてある看板も小さく、2枚しかないので路線図と見比べながら次の駅を確認しないと乗り過ごしてしまう。眠り込むなんてとんでも無い。緊張しないと。

 サンノゼに2時10分に到着。ブラットのオーナーに電話する。 「サンノゼまで迎えにいけないがサンタクルーズなら迎えに行く」と言うので、サンタクルーズに行くことにし、3時10分までH17バスを待つ。4時にサンタクルーズメトロセンターに到着。電話するも不在、留守電にメッセージを残す。市内通話で50セントもかかるのは高い、しかもアメリカの公衆電話はただ食いして不通にも関わらず金が返ってこないのも多い。ここ、サンタクルーズは学生の街。ヒッピーの総本家というか?風変わりな服装と風体の若者が多い。(後でTravisの両親と話をすると、まさしく70年代のヒッピームーブメントはここから始まり、未だにその格好をしたオッサンから若者までぞろぞろ闊歩していると言う)。バスは$4だったが$5を機械に入れるとお釣りが帰ってこなかった。正確に用意すること。ここでは文句を言っても金が返ってこない。

待つこと2時間、お日さんも沈みかけた6時前にやっと連絡が付く。 
 「サンタクルーズのメトロと言っても場所が分からない、明日にしてくれ」と面倒くさそう。 
 「Subwayだったら分かるだろう、そこで待つ」と言ったら市内に一軒しかないのにこれも分からない。 
最後に
 「日本料理のShogunはどうだ!」と言ってやっと分かった。 
15分ほどで来ると言ったので前で待っていたら30分もかかってやっと来た。ここでは余り時間を信用しない方がよい、こちらがイライラする。

 「SHOGUNを良く知っていたね!」と聞くと。
 「うん、何回か来たことがある。大変美味しかった。だけど、どうしてこの店を知っていたんだ?」
と、彼。
 「時間待ちでここらをぶらぶらしていたら、見つけたんだ、ところで運転していい?」
 「勿論、どこへ行ってもいいよ!」とキーを渡してくれて彼は助手席に座った。
前の愛車はマニュアル、パワステは付いていないし、73馬力のエンジンだったが、こちらはオート、パワステ、ターボと快適、強力だ。市内を走り回り、車をよく見るため照明の明るいガソリンスタンドに入った。
 「気に入ったよ! 過去にマニュアルのブラットに乗っていたんだ。だから、この車のことについて良く知っている」 
と彼に言った。
ボンネットを開くとスペアタイヤとジャッキがない。
 「スペアタイヤはどうしたの?」と聞くと。
 「初めからなかったけど、ガレージに同様のタイヤがあるかも知れないので捜してみる」

車を買うときは駆け引きがある。今回のような若い人が相手の時はイージーなのでテクニックを使わないが、それでも相手の性格をよく見て話をすることにしている。値切りすぎたら怒り出す人もいるし、決してこちらの足許を見せるようなことはさせない。 たとえ、この車を買うことが最大の目標で訪米していても。
 「どうしてアメリカに来たんだ?この車を買うために?」と痛いところをついてきたので、
 「いやあ、今回は他のビジネスのついでにこちらに立ち寄ったんだ」と適当にごまかし、こちらの買いたい気持ちがばれないようにした。

トランスミッションのオイル(ATF)は透明で濁ってはいなかったが、ひどく焦げた臭いがしていた。過酷なドライビングをすると劣化して焦げた臭いがする。
彼に、
 「焦げた臭いがしているのはオイルが劣化している」と言うと。
 「色が変わってない限り大丈夫」
なぞと、知ってか知らずか、とぼけて答えてきた。
シフトフィーリングはスムーズで良好。ショックも少ない。
 「買うことに決めたんだけど、どうだい、値引きはしてくれるんだよね」
 「いくらを考えているんだ」
 「安ければ安いほどいいよ!」
と俺。 コンディションに自信を持って、気むずかしそうな奴なので、あまり低い金額を提示すると(英語ではローボールを投げるなんて言うんだけど)機嫌を損ないそう。
 「言い値から$300引きはどう?」
 「いやあ、$100だったら」
と厳しい値引き。
 「キャッシュで払うから、$200引きは?」
と切り返してみた。
 「彼女とのディナー代ぐらいは出して欲しいな! $150で手を打つよ!」
と彼。
 「遠いところから、わざわざ来たんだから$200引きで手放してよ」
最後の一手を押すと。
 「OK、自宅に帰って書類を作って引き渡そう」
と、とうとう折れた。

 ブラットは思った以上によい車で値引きは厳しく言い値から$200引きで手を打った。彼の自宅に行き、8割を現金で支払い、残り、は4月に再訪米し預けた車を引き取るときに2割を支払うと言ったが、彼の父親がこれに異論を唱え、全ての金を支払わないとピンクスリップ(車検証)も、これから車をドライブすることもだめ。「クレジットカードでも支払えるので出せ」と言った。

 ところが渡したカードはブロックされて使えないと言う。カードカンパニーに電話すると、これは1度目の再発行カードで、私から依頼されてブロックされていると言う。日本にカードを送ってくれたロスアンゼルスのマイクに電話すると、とぼけて、再々発行されて彼が送ってくれたはずの新しいカードが後から送られてきたという。冗談じゃあない!再発行カードは日本に送って途中で行方不明になったと言ったではないか?兎に角、明日にFEDEXかもっとも早い便でこちらに送ってくれと言ったが、本当にやってくれるのか心配だ。

 残金が引き落とせなかったので困っていたところ、小切手口座のキャッシュカードに付いているビザで引き落とせた。残金は$100もないと思ったのが$300もあったが、先回の通販支払いで代金を引き落としたのだろうか?彼の親には$100しか残らないと言い、$200のチェックを切り次回の訪問時に引き落として貰うことにし、$200現金を戻して貰った。これでやっとホテルにも泊まることが出来る。

 キーを受け取り、未だ身体が時差に慣れていない中、真っ暗な山道を何度も間違いながら9号をサンタクルーズまで走った。食事をとるためダウンタウンに行くつもりが何故か17号に入ってしまったので、一路SFに向かった。途中ガソリンを$20給油。ガソリンは1ガロン$2.38と高くなった、去年は確か$1.70位だったはず。まだフリーウエイに慣れていないので50-55mphでしか走られない。最高速度制限の65マイル強で走ってくる後ろの車がびゅんびゅんと追い越していく。深夜近く安いモーテルを探し散々走り回って、前来たときも探し回ったレッドウッドの近くのモーテルを見つけた。$69.5と高いが仕方がないので泊まることにした。受付の女の子はインド系の目鼻立ちがくっきりとした美人だ。米国のモーテルのオーナーはどうしてかインド人が多い。リカーショップのオーナーは韓国人のオーナーが多いのと同じだろうか?日本人は庭師が多かったという。ロスアンゼルスのGardener市は日本人が沢山住んでいたからだと聞いている。

3月18日金曜日。レッドウッドからモンタレーまで。
 下半身が寒く、何度も目が覚め、起床したのは11時。エアコンで暖房すると、余りにも効きすぎ頭がボーとするので暖房をつけず毛布一枚でいつも寝ている。寒くて目が覚めると、ジーンズをはいてベッドに潜り込んだ。チェックアウトが近いのは分かっていたので出る用意を手短にした。受付で出される朝のコーヒーとパンはすでに終了。PCがあったのでメールをチェックするとVPより1通、後はヤフーより2通。

 小雨が振る中、右ワイパーブレードがちぎれているのを発見。オートパーツショップでワイパーブレードを購入、交換。途中見つけた日本料理店”Tokyo Star”(意味がよく分からない)でランチをとる。みそ汁にコーンが入っているのがおかしい。透明のゴンドラが寿司カウンターを一周する水流を漂う中で、韓国人らしい寿司シェフが”オス!!”とか訳の分からないかけ声を時折発するのは奇妙な感じ。オーナーは中国人の女性だった。アメリカ人には日本人と見分けが付かないだろう。

 気が付いていたが、ブラットのタペットノイズが大きい。油圧バルブではなかったのか?シフトショックは小さい。ターポらしく小気味良い加速。オーナーは20mpgは走ると言ったがマニュアルと比べ余り走らない。確か前のブラットは1ガロンで30マイルは走った。

 ラジオは彼が操作したときは聞くことが出来たのに、音が出てこない。前のブラットもそうであったが何か特別の操作が必要なのか?リヤベッドのジャンプシートはベルトのカバーを除いて全て付いている。

 ダウンタウンに行く。ここの道は一方通行が多くわかりにくい。ロスアンゼルスのリトルトーキョーと比べて小さいジャパンタウンのニジヤで食料を買う。日本語フリーペーパーにこんな記事があった。  

◎ヨットに乗ってください  Grand Surprise 31ft Alameda Marine Villageに係留、7月のTransPacレースまで無料。日本人クルー(初心者)4人います。 1050 Marina Village Parkway, Alameda, CA 945001 8181-038-7000 fuday@att.biz http://fuda.sub.jp/fortissimo/ 

シングルハンドの経験があるので、ひょっとしたら太平洋横断レースのクルーに加えてもらえるかも知れない。連絡してみよう。電話番号と地名はロスアンゼルスだ。何故、サンフランシスコの日本誌フリーペーパーにあるんだろう?

 帰宅の大渋滞を避けるため早々に101の入り口をさがしたが、非常にわかりにくい。しばらく渋滞の101から280を走っていると、1度目の軽いしゃくりがあり、引き続き2度目があった。すぐに計器を見ると油圧計、ターボ計、は問題がなく、電圧計が8Vを指していたのでただちにワイパー、ライト、ラジオを止めてフリーウエイを出た。出口近くのガソリンスタンドでバッテリーの電極を調べ、ガソリンを入れようとしたが、電極は何ともない、ポンプが故障していたので他のポンプに移動しようとキーを捻るとセルモーターが回らない。これは電極か、オルタネーターの問題と直感したので、幸いそこにいたメカニックにバッテリーを繋いで貰ってエンジンを始動し、テスターで電圧を測るとやはり充電していない。パーツのみで$125と言ったのでレーバーは恐らく$50ぐらいですむだろうと思ったら、修理後の工賃請求は$75、トータルで$215ビザのチェック口座から払った。随分ぼられたが、古い日本車のパーツを直ぐに持ってきて貰い、交換して直ぐに走り出すことが出来たので我慢した。しかし、いよいよ手持ちキャッシュが少ない。 最初車を見た時ブラットの後ろにバッテリージャンプコードを積んで走ってきたのでオーナーに質問したら、「バッテリーが調子悪かった」と言ってたのでこのことを知っていたはずだ。

 交換後は非常に快調。280を南下、17をサンタクルーズまで走る。小雨が続きスピードも落ちる。燃料計の針は100マイルで丁度真ん中を指す。モンタレーを過ぎた頃にモーテル6を見つけたのでチェックイン、もうすでに真っ暗の夜の9時頃。 夜食はニジヤで買ったおでん、三合ほどあるライスとウーロン茶でお腹がいっぱいになった。ここにはマイクロウエーブオーブン(電子レンジ)が備え付けてないので、冷たいままで食べるしかなかったが、結構おいしい。腹が満腹になると瞼が重たくなるのは健康な証拠。眠る前にやろうしたことが何もできなかった。

3月19日土曜日。モンタレーからワトソンビルまで。
 6時半に目覚めて、又寝直し。ユニクロジーンズは色落ちし、タオルで足を擦ったらブルーの垢が付いてきた。

 天気は良くない。テレビを見ているとテキサスは建国200年以来初めての14インチ積雪だとか?この頃の全米の天候は記録づくめだと言っている。 CNNで福岡で大地震があったとニュースが流れていたが詳しいことは分からない。12時までに出ればよいのだが9時にチェックアウトし、隣のデニーズで朝食。ブレックファーストセットには直径20センチほどのパンケーキが3枚も付いていた。さすがにこれは食べきれなかった。いつも行く日本のデニーズではアルバイトのコックが変わるのか? 気まぐれか?ミニマム5センチから10センチと大変動する。しかし、日本のデニーズと比べて、油ギタギタエッグ、ウインナー、まずいコーヒーは飲めたものではない。アメリカ人に冗談混じりにこのことのを言うとみんな大笑いで同意する。

 1号線をひたすら南下し、モンタレーに入った。フィッシャーマンズワーフとあったのでフリーウエイを出ると、海岸沿いにこの前も店内に入ったカヌーショップがあり懐かしさで入った。 ビーチコーミングで見つけた浜に打ち上げられている石は砂岩で巻き貝の化石が抜け落ちて穴が数カ所開いているのがユニークで面白く、数個おみやげ用にポケットに入れた。市内は駐車違反が厳しそうだったが、ホテル裏に1時間無料駐車できるところを見つけパーキング。 サンフランシスコと比べ非常に小さい場所だが賑やかで面白いところだった。

 素晴らしい遠景の橋の手前に止まり、前回の旅行と同様に写真をかなりの枚数撮った。このまま南下するとロスアンゼルスまで1日で到着するので、今度はSFに向けて再北上。途中、景色の良いところで止まり又写真、ムービーを撮った。キャンプをやりたいところだが、キャンピングカーもなく、看板もキャンプ禁止とある。

 ガイドブックから安いモーテル6を捜すとモンタレーの北に$39.50とあったので、そこに決め更に北上。途中サーキットシティ、コストコの建物を見つけフリーウエイを降りた。コストコのカードは期限が切れているはずだったので、入るだけにした。金があれば欲しいものだらけだったが、朝から何も食べていないので格安の$1.99のピザスライスのみにした。

 5時半過ぎにフリーウエイ沿いにモーテル6を捜し出しチェックイン、現金で支払ったついでに明日泊まるSF空港近くのモーテル6に予約を入れた。ガイドブックでは$59とあったが何故か$49と安い。

 食事をしようと外に出るも、隣にシネマ、パブがあったのみでいかにも高そうなので諦め、モーテル据え付けの自動販売機のスナックを買ってウーロン茶と食べる。少しはお腹に入った。公衆電話も捜したが見あたらない。明日朝サンタクルーズ市に入ったらオーナーに電話することにしよう。こういうときに携帯電話があったら便利。しかし、毎月来ていた頃に比べ、年に1回ぐらいしかこれない今、持ってもしようがない。

3月20日日曜日。ワトソンビル〜ブラットオーナー宅〜SF空港〜ダウンタウン〜モーテル6
 9時前にTravisの父親の家にブラットを持っていった。彼女の家にいる彼にサンタクルーズに連れていってもらえるかと電話をかけて聞くと朝食中であり、1,2時間はかかると言う。父親に頼み、送って貰うことにした。オルタネーターの修理金の半分でも支払って貰おうと思ったが、言い出せなかった。マイクからのクレジットカードは届いていない。途中スターバックスでコーヒーをごちそうになった。

 10時前メトロバスステーションに到着。10時35分にサンノゼ行きのバスが出るので時間待ち。現金残は$100少し。 アムトラックバスは17号線の途中で交通渋滞に遭い、到着が10分も遅れた。大慌てでCalTrainのカウンターに行くもだれもおらなかったが、しばらくして出てきた受付嬢が「急がなくても大丈夫、列車は逃げやあしない」と言ったけど、これを逃すと午後1時の電車になっていて後々のスケジュールが厳しくなっていた。

 Bartに乗り換え、SF国際空港に。しかしスーツケースを預けるコインロッカーがないため、SFダウンタウンに行くことにし、再びBartへ。Powelle駅で降りるとチャイナタウンは地図上で近かったが、とんでもないアップヒルの所で仕方なしにスーツケースをごろごろと引きながら歩いていくと、見覚えのあるトンネルが見えてきた。暗くて長い道をくぐると景色は一変し赤、青、黄色の原色ギラギラ、中華色一杯になった。どう見ても中学生としか見えない子供がたばこをくわえて仲間と辻にたむろしたり雰囲気が怪しい。通りに新聞のレストラン紹介のコピーを貼っていたハンズシェフと言う中華料理屋に入りランチセットの牛肉、豆腐、ライスのセットと追加のエビヌードルを頼んだ。ヌードルもそうだけど、どれも味が薄いのでしょうゆをかけてやらないと食えない。チェックビザで$11の料金を支払おうとすると、$15以上でないとアクセプトしないとのことで、エクストラの50セントを要求された。大した金額でもないのでサインした。

 Powelle駅に帰る途中にPCショップのCompuUSAがあったので入ると、アップルのコーナーが目の前の一番良いスペースにあった。扱いの悪かった昔と比べると大違いだ。ウエブに繋がっているパワーブックでメールチェック。ヤフー以外何も入っていない。

 Bartに乗り込み再びSF空港へ。これから必要なキャッシュを計算してみると残りが心許なくホテル代とタクシー代を払えるか分からない。両替屋で5000円を両替して貰うと$38.50しかならなかった。両替率は日本の銀行と比べて非常に悪い。まあ、しょうがないや。ひもじくなるより良い。

 どう見ても中近東系の、言葉のおかしいタクシーの運ちゃんに空港近くのモーテル6の地図を渡すと、「向こう岸のオークランド空港のモーテルではないか」なんてつぶやく。回りの仲間に聞いて兎に角出発し、途中間違って反対方向を行ったりしたが、こちらが見つけてやって到着。メーター読$12.05を$14支払ってやった。兎に角、この国はチップがあるので面倒くさい。

 モーテルは$49.50と安くなっており、タックスを含めても$52.90と安く上がった。ここは昨夜のモーテル6と違い、バスタブが付いている、発泡入浴剤を入れゆっくりと浸かったら、とたんにぐったりとベッドの上で寝てしまった。

 SF空港に行く具体的なタクシー料金も分かったし、余裕の金が出来たので、通りを越えたハングリー何とかというレストランに行くともう閉まるという。日曜は早く閉まるのを忘れていた。ふっと右を見ると1/2マイルぐらいの先にIHOP(パンケーキレストラン)があったので歩いて行くとここも閉まる途中であった。幸い、シェルのガススタンドに24hrフードマートがあったのでカップヌードル、ホットドッグ、サンドイッチとミネラルウオーターを買った。地獄にホッとヌードル(仏?)とはこの事。$7.30。 普通、ちょっとの距離でもこちらの人間は歩かない、しかも夜なので人影はほとんどないが、だれもおそってくる雰囲気ではないので回りに気をつけながらモーテルに帰った。

 腕時計のアラームを明朝の8時にセット。米国時間に時間をなおしていないので起床時間をセットするのもちゃんと計算しないとややこしい。受付嬢にも8時に起こして貰うように頼んだが、果たして起きることが出来るだろうか心配だ。9.11以来、警備が厳重になっているので3時間前に空港に入っておかないと飛行機に乗ることが出来ないかもしれない。